私、今までに様々な仕事をして参りました。
「システムエンジニア」「経理」「塾講師アシスタント」「学校部活動コーチ」「レコーディングエンジニア」「デザイナー」などなど…その中で、「この仕事は絶対に効率化でき、業務を圧縮出来る」と感じたのは「学校事務」という仕事です。
- 学校事務の、仕事の8割はExcelVBAで効率化できる
本日はこちらの問題と解決策について、お話していきます。
※今回の投稿は私の経験した範囲内でのお話です。全てに当てはまるわけではありませんので、ご了承ください。
※主に市町村立学校に当てはまる内容となります。自身の予想、予測も含めて記載しております。ご了承ください。
学校事務の現状と問題点
学校事務職員ってどんなお仕事?
学校事務とは簡単に言うと「学校に出入りするお金の管理と、営繕管理」です。
私はおもに以下の仕事をしていました。
- 公文書管理(学校に来る文書の受付。メールできたものを印刷して受け付けたり、郵便できたものを開封して受付したりなどなど。)
- 市町村費管理(学校のある地域のお金。学校で使う消耗品や備品のお金、就学援助、補助金などなど。県立学校の場合は県のお金となる)
- 県費管理(県のお金。給料や旅費など。)
- 徴収金管理(学校(クラス・学年)のお金。クラスや学年で使用する副教材や、学習に使用)
- 営繕管理(学校の施設や備品の管理。壊れていないか、使えるかどうかなど)
事務をしていた私がいうのもなんですが、正直誰にでもできる仕事です。
しかし、誰にでも出来る仕事ですが、Excelの知識がなければとても時間がかかる仕事であると言って良いでしょう。
Excelの知識があり、かつそんなに大きくない学校であれば、2つの学校で事務職員1人でも十分です。
そのくらい、事務の仕事は大抵Excelで効率化出来ます。
問題点は、校務支援システムはあっても事務支援システムはない、ということです。
給料っていくらくらい?
結論から申し上げます。事務職員に人件費かけすぎ。もっと効率化して減らすべき。
そんなに多い金額ではありませんが、「事務でこんなにもらえるのか」というくらいの金額です。
私は熊本県の職員でしたが、大卒程度だと以下が待遇(初任給)となります(誤差はあります)。
- 基本給:18万4千円程度
- 通勤手当:5キロ単位で変わる。上限4万ちょっと
- 住居手当:2万7千円が上限。家賃のおよそ半額程度が支給される
- 扶養手当:配偶者→13,000円 配偶者以外→6,500円(現在配偶者以外の手当があがり、配偶者の手当が下がっているようです)
- 時間外勤務手当:基本時給の125/100。
- 賞与(期末勤勉手当):年2回。1回当り基本給+扶養手当のおよそ2倍程度
- 有休(年休):年20日付与(最大20日まで翌年繰越可。合計最大40日)
- 旅費:キロ単価37円。近場でなければ、日当(諸費)550円付与。
- 昇給:年1回、はじめはおよそ8千円程度上がっていく
- 職員住宅:およそ1万〜3万いかない程度の住宅が、県内各地に有り
とにかく手当が厚いのです。そして福利厚生がすごい。
基本給は、大卒であれば県内の民間中小と同等程度でしょう。しかし、とにかくお金がかかりそうなことは何から何まで「手当」がつきます。
40〜50代の方の事務職員の年収はおよそ5〜700万円程度です。
正直その方々二人分の仕事するので、1000万円私にくださいと言いたいです。
辞める時も多くの皆さんに「もったいない」と言われましたが、辞めざるをえない状況でしたので…詳しい事は省きますが、職場の上司の皆さんがあんまりでした。部下をほとんど持つことのない事務職員が部下を持つとこうなる、という悪い例でした。
問題点とは
✕ 校務支援システムはあっても事務支援システムはない
✕ 事務職員に人件費かけすぎ。もっと効率化して減らすべき
✕ たとえ担当が効率化しても、次の人がそのExcelを使えない。Excel(数式やVBA)に知識のある事務職員がほぼいない
大きくこの3つだと思います。つまり、
◯ 事務支援システムを整備
◯ 市町村立学校事務職員へ、Excel講座の開設
◯ 担当学校を一つに限らない
これを進めると、より「税金の無駄遣い」と呼ばれるものが減るでしょう。
学校事務の仕事で、効率化出来ること
もっと詳しく、どんな仕事があるのか?
細かくすると、本当に沢山の仕事があります。とりあえず書きます。
・公文書管理 ・市町村費管理(各消耗品備品の購入、バス借り上げ、印刷関係手続き等) ・切手受払簿管理 ・備品管理 ・補助金管理 ・就学援助管理 ・営繕(修繕)管理 ・市町村への予算要求 ・学校徴収金管理 ・給与手当管理 ・各職員の手当管理 ・勤務実績管理 ・旅費申請管理 ・年末調整 ・年度末職員異動手続き …
まだまだ沢山ありますし、一つの仕事でもう少し細かいところがあるものも多くあります。
学校事務の仕事は多岐に渡るのです。
ただ、特に一つ一つが難しいわけではありません。1年やればある程度覚えます。
何を効率化できるのか?
さて、この中でExcelで何かしら効率化出来るものはどれなのか…。
結論は「ほとんど全て」出来ます。
この中でExcelで関係しないものは、あえて言えば「営繕管理」でしょうか。修理箇所を探したりするのは機械ではできません。あとは、機械(Excel)ができる事が多くを占めています。その仕事全てを機械に任せることは出来ませんが、Excelを使うことで劇的に効率化できます。
ちなみに、私がいた学校では、小さなシステムも含めると、教員用も含め計50システム程度作成しました。そのくらい、効率化する余地はあるのです。
効率化するとどうなる?
効率化するとどうなるのか。
結論は業務が圧縮でき、事務作業時間が減ります。
間違いありません。確実に減ります。
もちろん、Excel化したりVBAを作成することは、通常はできないでしょう。
ただ、「作成」ではなく「使用」であれば話は別です。
UI(ユーザインターフェース)がしっかりしたもので、かつ事務職員側に学ぶ姿勢があれば、誰でも出来ます。
事実、私の事務職員としての業務は、平時1日当たり2時間程度(かそれ以下)しかしていません。それ以外は、教員用校務支援システムの作成や生徒の指導等に充てていました。
私が言いたいことがわかるでしょうか。1日2時間程度で全部出来るのです。
つまり、1人で2校を担当することなんて容易いのです。
1日毎に交互に別の学校で勤務をしたとしても、2校あわせて1日4時間程度で全部出来るのです。
規模の大きな学校や、私のように事務以外のお仕事も多く持っている場合は別としても、現状明らかに事務職員の数は多すぎます。
効率化したうえでどのような「メリット」が生まれるのか
簡単です。人件費が減ります。
もちろん、すぐに人数を減らすことは出来ません。もちろん給料を減らす事も難しいでしょう。
しかし減らすところは人数や給料だけではありませんよね。
そう、時間外手当です。
これは、確実に減らすことが出来るでしょう。
大体年間で県から支給される1校(1人)あたりの時間外手当予算は、100時間分くらいかな〜と思います。
大体1校あたり、10〜30万程度でしょうか。間をとって20万にしましょう。
平成29年度は小中学校だけでおよそ530校ありました。
もちろん、小さい学校は事務職員がいない学校もあります(市町村が雇っていたり、教頭がしていたり)。ただ、複数人配置校の方が多くあります。少なく見積もって530人分としましょう。
現状、530人×200,000円。時間外手当だけでおよそ1億円支出していますね。
しかし、例えばその時間外を半分まで減らせたとしましょう。実質もっと減らせると思いますが、とりあえず半分です。
わかりますね、年間5千万円は人件費を減らせるのです。
市町村費に関しては、市町村の条例等で決まっているものもありますので、なかなか県で一括してシステムを作るのは難しいでしょう。しかし、県のお金に関しては、それが可能です。その分だけでももっとシステム化する必要があるでしょう。
現状、システム化している部分も多くあります。しかし、それはまだ不十分です。未だ、機械が判断出来るところを人間が入力し、時間の浪費とミスの誘発が絶えません。その点で、民間企業には到底及びません。
どのように効率化するのか
こちらも答えは簡単ですね。VBAと数式によって効率化します。
理由は、Excelはどのパソコンにも入っていて、インストール作業が不要だからです。
学校事務職員で、Excelで「数式わからない」「VBAわからない」という方は大勢いらっしゃいますが、「使ったことがない」方はいません。
マニュアルや研修は必要ですが、新規でシステムをインストールするよりとっつきやすいでしょう。
まとめ
念の為、最後に記載しておきますが、私は事務職員という仕事が大好きでした。地域も子どもたちも保護者の皆さんも先生方も、大好きでした。
教員免許もない私が教育現場に携われる唯一の場所であり、仕事にも誇りを持ち、様々な方と支え合いながら業務を行ってまいりました。
もちろん、良い先生も良くない先生もいらっしゃいます。良い事務職員も良くない事務職員もいらっしゃいます。
しかし、ほとんどの先生方、事務職員の方は「子どものため」に日々働いていらっしゃいます。
私は外部から、そのサポートをさせていただきたい、そう考えております。
「教育現場を更に良い環境にすることで、先生方がより子どもに向き合えるようにしたい」
今回、この様な記事を書いた理由の一番はこれです。
今回、簡単にですが、効率化についての概要を説明させていただきました。
もっと詳しい内容を聞きたい方、ExcelやVBAについてのお話を聞きたい方。学校関係者でもそうでなくても構いません。
場所によっては伺ってお話させていただきますので、以下のフォームよりご一報ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。もしご気分を害された方がいらっしゃいましたら、お詫び申し上げます。